経営者が「知らなかった」では済まされない
中小企業のための賞与の支払い方
賞与には経営者の考えを大きく反映させよう!
賞与を支払う理由は?
皆様の会社はいかがでしょうか? さまざまな理由が考えられます。
- 生活費の補填
- 頑張った社員に報いるため
- 利益の分配金
- 将来もっと頑張ってもらうため
など多くの考え方があると思います。
経営者はよく、昨年いくら払ったか!を気にします。
たとえば、昨年はAさんに50万円支払った。このAさんは営業課長に昇進し、すごく頑張った。個人の評価は一番高かった。だけど、業績が大きく落ち込んだため賞与の金額が下がって、今年の賞与は45万円になった。他の同僚は20万円以上減った者もいる。
金額だけを見ればAさんはどう思うでしょうか?
そもそも、法律上、賞与は支給しないといけないものなのでしょうか? ただ、よい社長は『賞与を何とか支給したい』と思っています。
賞与の決定要素は?
この社員にいくらの賞与を支払うか? 迷うところです。私が考える賞与の金額を決める決定要因は、3つあると思います。
① 会社の業績
賞与には原資が当然必要になります。会社の利益が出たら社員にも応分の賞与を払いたいと思っているでしょう。当然、会社の業績次第で賞与の金額は大きく左右されます。(ちなみに、私は賃金規程の「賞与」を「利益分配金」と併記することをお勧めしています)
② 社員の役職
入社1年目の新入社員と営業部長では賞与のスタートラインが当然違います。役職が高くなれば責任も重くなり、賞与の金額も高くなります。
③ 社員の評価
役職が同じであれば、賞与は一緒でしょうか? 同じ役職でも、その年の会社への貢献度はそれぞれ違います。その評価により当然、賞与に差が生じます。
あとは、中小企業ならではのあの社員は扶養が多いから賞与を多くしてあげようなど調整する場合があります。
ただ、賞与を誰にいくら支払うかの原則は
①会社の業績 ②社員の役職 ③社員の評価
この3つの要素で決まります。
賞与の仕組作り
賞与の金額を決めるのは本当に気が滅入ってしまう、という経営者も少なくないでしょう。
社員が納得する賞与を分配する計算機があれば、経営者の皆さんはこんな楽なことはないでしょう。
しかし、残念ながらありません。仕組みを作ることが大切です。
一部を紹介します。
賞与は複数の支給項目を作ります。
賞与基礎給 + 業績達成給 + 個人評価給
「業績達成給」は会社の業績に連動します。
会社の業績が上がれば、賞与が増える。もちろん、赤字であれば賞与は減額、もしくは不支給になります。
こういった制度を仕組みにし、社員に周知します。
経常利益 | 業績達成給 |
1000 万円以上 | 30,000 円 |
500 万円以上 | 20,000 円 |
0 円以上 | 10,000 円 |
▲500 万円以上 | ▲10,000 円 |
▲1000 万円以上 | ▲20,000 円 |
給与はきちんと支払わないと、書類送検されることもあります。
しかし、賞与は○ヵ月分支給するというきまりがなければ、支給するか、しないかは経営者の判断によります。
ほとんどの経営者が、なんとか社員に賞与を支給したいと考えています。
賞与の金額で迷った時の最後の手段は、「その社員にいくらがふさわしいか」と経営者が納得する金額を支払うことです。
経営者の目は確かです。自信を持ってください。
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